ドイツの学校、日独の教育の比較 – ドイツ・バイエルン州へ~子どもと完全移住 http://www.lebensbayern.com 2020年現在もドイツ滞在中。我が家の移住の葛藤、ドイツの子育て、日本のガイドブックにはないバイエルン州の自然散策をレポート。 Fri, 13 Mar 2020 10:27:07 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.8.10 イースター休暇まで休校に http://www.lebensbayern.com/2020/03/175 http://www.lebensbayern.com/2020/03/175#comments Fri, 13 Mar 2020 10:26:29 +0000 http://www.lebensbayern.com/?p=175 3月13日金曜日の早朝、ここバイエルン州においても全学校の休校が決まった。

今回のコロナウィルスに対する休校の可否は、ドイツでは州に一任されている。
早い州ではもう休校が始まっていたし、昨日の木曜の時点で、
休校となった際の”子どもの宿題&課題の送信先メールアドレス”を
連絡するよう知らせが来ていたから、特に何の驚きもなかった。

安部首相の突然の発表は衝撃的だった。こんな大事なことを
教育現場への事前通知や用意もまったくなく、発表したのだから。

それまでのモヤモヤ、モタモタした対応から、一気に違う所に突き進むような、
なんというか、いつもタイミングや的が微妙にずれているように当時は感じたけれど、
今ではイタリア周辺国はほとんど一斉休校に踏み切っている。
日本っていつも、他国から揶揄され、時に称賛される不思議な国である。

さてバイエルン州の学校は、週明け3月16日から4月3日まで休校し、
その直後2週間のイースター休暇に入る。
トータルで5週間。当然子どもたちは大喜び!

だが、親もそんなに悲観してないのが日本と違うところ。
もともとドイツの学校は休暇が多く(年に14週間の休暇がある)、
その現実に、社会や企業だけでなく親も考慮しているから、
突然の休校にそれほど慌てることはないのだろう、と私は思っている。

実際、子どもが学校という集団の場でコロナウィルスに感染し、
それを自宅に持ち帰る方がずっと怖いのだから。

反抗期まっさかりの子を持つ親は、けっこうブルーだろうが、
我が家は4学年と1学年なので、まだ親と一緒にいても平気だし、
普通に喜んだりもする。
まあ、ぼちぼち過ごして、日本語をやり直す良い機会?かな。

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拘束時間が長いのは何の差? http://www.lebensbayern.com/2020/03/158 http://www.lebensbayern.com/2020/03/158#comments Mon, 02 Mar 2020 09:51:52 +0000 http://www.lebensbayern.com/?p=158 不必要に拘束時間が長い。
みんな飽き飽きして不平不満があるのに、なぜ変わらないのだろう?
グループ集会や会議の時の日本人は”不思議ちゃん”だ。

私が初めて拘束時間が長い!と嫌気がさしたのは、小学校の時。
入学式や卒業式で必ずある、先生の言葉や来賓の言葉、だ。
ほんとに、まぁー、よく長々と・・・。おそらくその場にいる全員が思っている。
座っていても立っていてもツラい。その場にいることがツラい。
”贈る言葉”だって、2分でも十分だと私は思っている。
必要もないのに10分以上も話す人もいる。
私の小学校では、卒業式など大きなイベントでは予行練習を
何度もやらされた。練習の時から校長先生は長々と話している。
生徒たちは予行練習でも本番でも、同じながーい話を聞かされるのだ。
こんなツラくて時間がもったいないことはない・・・。
と、子どもだって思う。

こういう人は話好きというより、時間内に話をまとめられない人。
ビジネスの世界で例えれば、プレゼン能力の低いセールスマン!
セミナーで期限時間内に終わらないプレゼンなどあり得ないのだ。

先生や来賓だからしょうがないのでは?
というのは違うんじゃないかと思う。
だってドイツ人では、ほとんど働いたことがない主婦でも、
普通の近所のおっさんでも、さらっと上手くまとめるスピーチができてしまうから。
会員になってる何かの集まりで、クリスマスパーティやイベントをやる時、
地域サッカーの試合での表彰式の時など、100人前後の集まりがあったとして、
急にスピーチを回されても、本当にスラスラと短く要点や意見をまとめ、
ジョークも少し入れたりして3分以内に話し終える、という話術を、
ほとんどの人ができる。だから無駄に会が長くなったり、冗長化しないのだ。

最初のころ、私はこれを国民性の違いだと思っていた。
日本人は恥ずかしがって意見を言えない、人前で話すのが苦手。
個より和を大切にするから我慢する傾向にある。
などは、誰でも一度は口にしたことがある常套文句。

でも長女カナが小学校に通い始め、これは教育の違いと明確に感じる。
ドイツの小学校では、日本でいう通知表を年に2回もらう。
学年の半分ぐらいになった時期に、1回目の通知表をもとにして
生徒・教師・保護者の三者面談が行われる。
三者面談は年に1回のこの時だけなのだが、1つ1つの項目について、
それまでの評価を先生が生徒に伝え、学年末までにどうしていくか
保護者も含めて話し合うのだ。

この項目の中に、
「授業中にじゅうぶん手を挙げて発言しているかどうか」
「積極的に授業に参加しているかどうか」

というのがあり、国語(ドイツ語)や算数の成績と同様に重要視され評価される。
テストが全て満点でも、先生が生徒に質問し正しく答えていたとしても、
発言が少ないと最高評価である1はもらえない。2になる。
勉強ができても発言が少ないと、積極的に授業参加してると見なされないのだ。

これは会議や保護者会などで、よく発言する人だけが話し続け、
意見があっても言わないで、座ってるだけの人に当てはまる。
もちろんそういった人も、人前で言わないだけで意見はあるから、
集まりで発言しなかった分、他で発散する。

疑問・意見や不平不満を、いつも酒の席や家庭でばかり言う人たちのことだ。
そういう事はその場で言って、飲み会や家での時間は楽しく過ごす方が良いに決まっている。
もちろん、いつもではなく5割でいい。
疑問には意見して話し合い、良い方向に持っていく習慣をもっと付けた方が、
それこそ日本人が所望する”和”になると思うのだけれど。
発言度の評価項目は、日本の学校にもぜひ取り入れてほしいものだ。

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長女カナ、特別授業で楽器を習う http://www.lebensbayern.com/2020/02/155 http://www.lebensbayern.com/2020/02/155#comments Sat, 29 Feb 2020 07:58:00 +0000 http://www.lebensbayern.com/?p=155 長女カナが、楽器を習うことになった。
3学年になったので、楽器の「特別授業」に申し込めるようになったのだ。

ドイツの小学校では音楽の授業で楽器を習わないので、子どもが使用できる楽器は
当然ながら学校にはない。またはあっても数が少ない。
長女カナの場合、毎週火曜の昼休み中に、小学校と隣接している音楽学校へ
皆と一緒に行って習うということ。

帰宅時間が変わらないし、親が送り迎えする必要もないから嬉しい限り。
最初の1ケ月の間にいくつかの楽器を試して、習いたい楽器を自ら決める。
長女カナが選んだ楽器は、「ハックブレット(Hackbrett)」という打弦楽器だった。
とても美しい幻想的な世界が広がるような音色で、民族博物館などに行くと、
カルテットの1楽器として小コンサートで聴く機会がある。
(音色:YouTubeより)https://www.youtube.com/watch?v=4LvZTYcvAhs

音楽学校から1人1台が割り当てられ、火曜の授業後に自宅練習用として持ち帰る。
子ども用なのでギターより小さいし軽いのだが、本体は木製で、
落としたりどこかにぶつけようものなら、すぐ壊れてしまう。
高価なものなので、5歳の末っ子ファビがいる我が家としては、それなりに気を使う。
とはいえ、楽器を自ら購入する必要がなく、しかも音楽学校の講師から習えるなら、
月額費用として月々4千円が発生するのも納得できる。
こうして長女カナは初めての楽器を習い始めた。

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http://www.lebensbayern.com/2020/02/155/feed 46
楽器を習わないドイツの音楽の授業 http://www.lebensbayern.com/2020/02/152 http://www.lebensbayern.com/2020/02/152#comments Fri, 28 Feb 2020 07:28:00 +0000 http://www.lebensbayern.com/?p=152 子どもが小学校に入り、まず私が驚愕したのが、
音楽の授業で楽器をまったく習わない、ことだった。

ドイツといえば、ベートーベン、バッハ、ブラームス、シューマンや、
かのバイエルン王ルートビッヒ2世に寵愛されたワーグナーなど、
音楽に興味のない人でも知っているであろう音楽家たちを輩出した国。
さぞ音楽は力を入れて教えるのだろう!とか、
学校でもレベルの高い指導を受けられるのではないか、
と思い描いていた私の期待を、見事に裏切ってくれた。

私の子どもたちが通うドイツの公立学校の場合だと、音楽という科目が
組み込まれたのは3学年目で、主に習うのは歌唱。
1・2学年時は音楽の授業はなく、時々歌う程度。
通常の授業で楽器を習うことはないし、触れることもない。

といっても、習うチャンスがまったくないわけではない。
定期的に募集される追加の特別授業を申し込めば、放課後に楽器を習うことができる。

但し、有料。自腹なのだ・・・。
そして数回のトライアルの後に継続して習いたければ、
年間契約または2年契約を結ばなければならない。
週1回で計月4回のレッスンに対し、どの楽器でも30~50ユーロ前後の月額費がかかる。
例えば月額費が30ユーロだったとして、休みを除いた10ケ月分の300ユーロが年間受講費。
2年間だと600ユーロ、月額費が50ユーロの場合は2年間で1000ユーロだ。

7万円から12万円かかる、楽器習得のためだけの受講費。
高いと思うとか、安いと思うか。
分かれるところだろうが、各楽器の特化した専門の先生から習えるのなら、
相応ではないか、と当時の私は考えた。
半年後これが間違いだったことに気づくのだが・・・。

それはさておき、学費を払わないと楽器を習う機会すらない、というのはいかがなものか。
笛やピアニカぐらい授業に取り入れたっていいだろうに。
家計的に学費のねん出が厳しい家庭の場合、または親が音楽に無関心だったり、
軽視して習う必要はないと考える場合、その子どもたちは楽器に触れる機会さえない。
せめて小学校ぐらいは、平等に機会を与える場であって欲しいと、
日本の小学校で、ギターやアコーディオン、笛、ピアニカ、鼓笛隊を
経験させてもらった私は思うのである。

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http://www.lebensbayern.com/2020/02/152/feed 49
ドイツと日本の違い:学校の先生編 http://www.lebensbayern.com/2020/02/136 http://www.lebensbayern.com/2020/02/136#comments Tue, 25 Feb 2020 12:35:05 +0000 http://www.lebensbayern.com/?p=136 ドイツの学校の先生は、

  • 残業はしない。
    • テストの答案チェックのために残業する、家に持ち帰ることは基本しない。
    • 授業のない時間、または授業中に生徒たちに映画を見せ、その間に答案チェックをする。
      ※初めのころは、なんで生徒の親は非難しないのだろう?と不思議だった。
      おそらく親が子どもの時も、先生が普通にやっていた行為なのだろう。
  • 風邪を引いたら、3日から1週間ほど休む。
    • 学校の先生に限らずドイツ社会では普通のこと。
      しっかり休んで治す。仕事はしない。これは良いこと!
    • 欠勤時の代行専用の教師が、予め数人割り当てられているので混乱はない。
    • 代行教師も欠勤の場合、生徒は自習、または映画鑑賞。
      ひどいときは映画を2つ観て帰ってくることもある・・・。
    • 教師欠勤のせいで遅れた授業は、宿題になり親が代わりに教えなければならないことも。
  • 午前中だけで帰ってしまう先生も多い。
    • 学年にもよるが、13時頃までに授業が終わるため。
    • ドイツの先生は圧倒的に女性が多い。
      子育てと両立し自身の子どもが小さい先生は、午前中だけ働く。
  • 日本のような部活動はない。
    • 実験やスポーツ、音楽など、希望すれば午後に参加できる特別授業はあるが、週1程度。
  • スポーツや音楽は専任の教師が担当する。
    • 担任の先生が全教科を受け持つこともある。
  • 会社務めと同様に、有休もとるし長期旅行にも行く。
    • 代行教師がいるから問題ない。
    • なので日本のように、先生が”燃え尽きる”こともない。

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